「現行日本国憲法は、なぜ改正する必要があるのか!」

清原淳平会長

講話日:令和4年11月28日(金)

清原淳平会長

講演要旨


 現行日本国憲法には、5つの欠陥がある。①長年にわたって、改正しないことの弊害、②成立上の欠陥、③形式上の欠陥、④内容上の欠陥、⑤憲法改正を取り扱うルールの欠如、である。まず、①について、時代は日進月歩・分進秒歩で進歩している。これに対し、法は作られた時点で静止してしまう。制定時の国民が後世の国民を縛ってはならない。法と現実との間にギャップが生ずる。だから、海外は頻繁に憲法を改正しているが、日本国憲法は昭和22年施行後75年間一度も改正されていない。改正条件が両議院の3分の2に加え、国民投票で過半数という世界でも例のない硬性憲法であることも原因である。改正できないと、現実に合わせるため解釈で補わざるを得ない。そうすると、国民の順法意識も薄れる。
 ②について、本来、ハーグ陸戦法規によって、占領軍は被占領国の法制を尊重することになっているが、日本は憲法を改正せざるを得なかった。ただし、現行憲法は無効ではない。創立会長岸信介元総理は、「無効論は制定10年以内なら成り立つが、何十年も経ってからでは、それまで憲法に基づいて行った措置がすべて無効となり、大混乱を引き起こす」、と無効論を明快に否定している。
 ③について、GHQ草案を一週間で翻訳した ため、翻訳調で、翻訳にも誤りがある。議決と可決、予算「案」などの法律用語の誤りが28箇所もあるが、最大の誤りは、戦争「放棄」という用語の誤りである。「放棄」は、正当な権利をいらないということであり、本来は「否認」とするのが正しい。
 ④について、現行憲法は権利規定が30カ条あるが、義務規定は3カ条しかない。本来、権利と義務は盾の両面であり、バランスを欠いている。有名無実の規定も多い。例えば89条を文言通り読めば、私学助成は一切許されないことになる。そこで、私学振興財団というワンクッションを置いて助成金を渡す仕組みをつくったが、天下りの温床になってしまった。また、9条の解釈は学者によって18通りに分かれる。果たしてそれでよいのか?多くの国民は、湾岸戦争の時に協力国の中に日の丸がないのを見て気が付いている。
 ⑤について、かつて日本では、憲法改正について発言しただけで大臣がクビになる時代があった。ドイツでは、憲法の欠陥を議員が進んで指摘している。改憲勢力が衆参両院の3分の2を占め、憲法審査会でも本格審議が始まるなど、時代は変わってきている。憲法改正のような重要課題は政争の具に供しないでいただきたい。



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