分かりやすい憲法改正学へのすすめ
──その2、改憲必要性の基礎的認識──
講話日:平成26年11月26日(水) 清原淳平会長
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講演要旨
1、長年にわたって、憲法を修正・改正しないことの弊害:日本国憲法は、67年間改正していない。世界各国を見ると、ドイツは57回、旧ソ連が崩壊するまで56回、スイスは59回も改正している。憲法(法)は成立した時点で静止する。対して時代は日進月歩・分進秒歩である。改正しなければ、憲法と現実との間にギャップが生じるのは当たり前。日本は改正手続き要件(憲法96条)が厳しくて改正できないため、時の保守政権は現実に合わせるべく、解釈で補わざるを得なかった。しかし、それも限界に近い。早く改正すべきである。
2、形式上の欠陥:現憲法に28ヵ所もある法律用語の誤りがある。例えば「国会が議決した法律案」といった文言が多数あるが、議決には可決と否決があるので、これは「国会が可決した法律案」とならなければならない。また「戦争の放棄」とあるが、これは「戦争の否認」と書くのが正しい。
3、内容上の欠陥:これは沢山あるが、例えば、先進国では権利と義務は楯の両面と考えるが、日本国憲法は権利偏重なので、利己主義と解され、いじめ、人権無視殺人など凶悪犯罪が多発する。憲法89条は、私学へ公金支出を禁止している。これは、欧米諸国で学校教育はキリスト教会が市民からお金を集めて経営してきたので、日本国憲法を起案した占領軍としては、彼らの慣習に従い、日本にも押しつけたものである。苦しんだ日本は、外郭に私学振興財団を造り、そこへ大きな資金を出し、この財団が各私立学校へ配分する手段を採ってきたが、憲法違反の疑いは免れない。
4、憲法改正問題を取り扱うルールの誤り:ドイツでは、法と現実の間にギャップがあると思えば、与野党問わず、競って改憲を提案する土壌がある。日本は改憲を言うことさえ拒絶反応があり、この点は、日本の国会議員も認識を新たにしてほしい。