今こそ日本人の底力を!
――大地震・大津波・原発事故からの再建策――
講話日:平成23年4月15日(金) 塚本三郎先生
元民社党委員長、新しい憲法をつくる愛知県民会議議長 |
講演要旨
今回の大震災は、天からの警鐘であったと思う。私は元々政治家ではなく宗教の学究を志しており、今でも続けている。華厳経・般若心経・法華経など昔の仏教典には、国の乱れに天が警告を発することがはっきりと書かれている。現代の若者が爪や髪の毛を伸ばして、外見においても国の乱れが見て取れる。日蓮上人は、「立正安国論」において、国を忘れた為政者が政権に就くとき、末法の世が実現するだろうと説いた。このように、大自然と人間の生活は別次元のものではなく、深く結び付いており、まさに大自然から人心の乱れに対し警告が発せられているのだ。このままでは、尖閣・沖縄も中国のものとなるだろう。本来それは、宗教家の役割のはずだが、宗教法人への非課税により、魂が抜けているのが現状である。憲法改正は国家の命運を左右する喫緊の課題であり、時間との戦いであることを認識しなければならない。今の憲法は、権利だけを主張し、義務や責任の精神を置き忘れて、日教組を中心とした左翼教育で、わがまま人間を作ってしまった。教育のあり方を改め、自衛隊で若者を教育する。防衛力が今こそ必要なのに自衛隊の予算が削られている。日本は独立国なのだから、国会議員は堂々と憲法改正を主張し、政治主導でこの難局を乗り切る必要がある。では、いつになったら憲法改正が実現するのか?第96条を先に改正し、「各議院の総議員の3分の2」を「過半数」に緩和する。これを実現するのが教育の力であり、民主主義政治である。民主主義政治にも悪弊があり、低支持率でも政権を担当できるのもそのためである。アリストテレスは民主主義政治を三悪と呼び、数の暴力と化す危険性を指摘していた。しかしスパルタの独裁政治よりはまだ民主主義の方がましだ、ということである。今の日本の民主主義政治を腐敗させたのは政党助成金と小選挙区制である。日本における二大政党制の実現は、英米の二大政党制とは歴史的意味合いが全く違う。
東日本大震災から復興するためには、失業者を出さないための公共事業の振興と、復興財源のために国債を発行するのではなく、昭和4年の金融恐慌時の高橋是清の英知に学び、政府紙幣を大量発行することが必要ではないか。400兆円までならインフレを抑え込みながら可能であろう。千年に一度の未曾有の国難を乗り切るのは、災い転じて福となす、大胆な政策を打ち出すのが政治主導ではないだろうか。塚本三郎先生のこの御講話のあと、その後の意見交換も盛んでした。