総選挙の結果分析
向後の憲法改正への展望!

高橋利行先生

講話日:令和3年11月12日(金)

高橋利行先生

講演要旨


  私も、長年世論調査を担当していたが、接戦となっていた選挙区で軒並み与党候補が勝利するという、従来通りの出口調査や電話による調査の結果とは大きくずれた。また、裏には、宏池会と清和会のし烈な勢力争いもあり、新聞・ テレビ・雑誌の事前予測が外れたのもよく分かる。
投票率が低かったことも、与党の組織力にとって有利な結果となったが、この選挙期間中にも、北朝鮮がミサイルを発射したり、中国・ロシアの艦船が津軽海峡や大隅海峡といった日本の領海を一周するなど、厳しさを増す国際軍事情勢を、有権者が認識し、共産党が政権に参画する野党共闘を選択しなかった結果だ、といえる。しかし、圧勝とはいっても、自民党の議席数は減っており、いわば薄氷の圧勝というべきである。今後は、自民党内改革が、必要となってくる。
 米中対立も、今後の政治に大きく影響する要素だ。冷戦時代は、ソ連に親しい感情を持つ日本人が少なく、西側陣営につくのは自然な流れであったが、中国が相手となると、経済界の反発は避けられない。政界内にも、親中派は多く、岸田内閣にはむずかしい舵取りが求められる。
 憲法改正論議は、自民党・公明党に加え、維新の会と国民民主党も、改憲に前向きに発言をしている。特に維新の会の松井一郎代表は、「来年夏の参議院選挙と併せて国民投票を行いたい」と発言し注目されているが、維新の会の勢力は大阪府とその周辺に留まっており、松井代表も国会議員ではないので、維新の会の発言力を増すためには、来年夏の参議院選挙で、全国政党になれるか、にかかっている。
 また、憲法審査会は、全会一致というルールになっており、立憲民主党や共産党は相変わらず反対するだろうから、議論が思った通りに進むかどうか、むずかしい。ただ、国際軍事情勢を見れば、いつまでも憲法改正しないわけにもいかない。議論が熟したら、多少乱暴だとしても、多数決で押し切る力も必要になって来る。いずれにしても、憲法改正は党派を超えた重要課題であるので、議論の進展に期待したい。


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