憲法改正への私の考え方と、最近の国会情勢について
講話日:平成28年9月16日(金) 平沢勝栄先生 衆議院議員・予算委員会理事・憲法審査会幹事・ |
講演要旨
今年の通常国会では、憲法改正の議論がほとんどされなかった。参議院選挙を控えているのが理由だが、平均して1年半に1回ペースで選挙を行っているのだから、憲法問題について議論する時間がなくなってしまう。また、憲法審査会で参考人に招致された憲法学者全員が安全保障法制を違憲だ、と主張し問題になったが、憲法学者は条文の字面だけを読んで、安全保障の現実はある意味どうでもいいと考えているので、違憲と主張するのも仕方がない。そもそも、集団的自衛権の行使といっても個別的自衛権の範囲を少し広げただけであって、「戦争法案」などというレッテルを貼るのは間違っている。普通の独立国であれば、不審船が来たら自衛権を行使して撃退できるのだから、拉致事件も未然に防ぐことが出来たはずだ。 今の憲法にはおかしい部分が多々ある。例えば、前文。「平和を愛する諸外国の公正と信義に信頼して」などとあるが、核保有国に取り囲まれ、領海侵入を繰り返されている現状と大きくかけ離れている。私学助成も、憲法違反の状態で行われている。参議院のあり方も見直す必要がある。テーマを絞り、優先順位の高い者から進めて行きたい。 自民党の改憲案も野党から色々と批判されているが、あの案はあくまでもたたき台であって、そのまま国民に発議するつもりではない。憲法を改正してはいけないという人がいるが、改正条項が設けられているのだから、変えてはいけないというのはおかしい。自民党の党是は憲法改正であるから、我々はそれに向かって議論が深まるよう、努力して行きたい。