私の政治信念、および憲法改正への考え方

葉梨康弘

講話日:平成24年2月14日(火) 

葉梨康弘先生

前衆議院議員(当選2回・茨城3区)、憲法調査会・憲法調査特別委員会委員・自民党青年局次長

講演要旨

 民主党は、とにかく自民党のやり方をすべて否定するやり方を採っている。しかし、中国の北宋の末期の新法党と旧法党の論争によって政治が低迷しやがて滅びてしまった例をみても分かるように相手を否定しているだけでは国の活力が削がれてしまうだけだ。政権交代があっても、日本という国の根幹の部分は変えない方がいい。そのために何を根幹として守るべきか、議論をしておくべきだろう。憲法に関していうと、近年は「近代立憲主義憲法観」のみが強調されている。憲法は政府の行動に制限を与えるものであり、国民を守るためのもの、という考え方だが、この考え方のおかげで、国民は、自由を主張、給付は受けるのが当たり前のように感じてしまっている。最低の年金額は6万円だが、生活保護なら12万円もらえる。それなら生活保護にしてもらおう、という考えがはびこっている。これでは日本が衰退してしまう。また、東日本大震災のような大災害のあったときには私権の制限を行って、復興を優先させるという考え方があってもいいように思う。2大政党制、小選挙区制によって、政治家が選挙民に迎合しているのも問題だ。ある層に不利益なことを言うと、その層から投票してもらえなくなり、落選してしまう。そのため言うべきことも言えないのだ。この解決策として、国民投票を政策決定に利用するという方法も考えられるのではないか。制度設計をしっかり行わなければいけないが、たとえば、「現在は毎年25兆円の財政赤字である。これをゼロにするには消費税を10%上げる必要がある。YESかNOか」といった具合に国民に問う。こうすれば、メリットとデメリットを熟慮して、国民がどちらか選ぶことになる。国民に大きな負担を強いるような話であれば、国民投票もありだと考える。また、地方主権が大きな話題になっているが、地方主権になると、東京圏、中京圏、大阪圏は税収が大きいので栄えるが、それ以外の地方は税収が少ないので、実質上切り捨てられる。地方主権にすれば、地方が栄えるという話をする方もいるが、実際はまったく逆なのだ。

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