新年の決意披露
講話日:平成24年1月19日(木) 清原淳平 会長
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講演要旨
皆さん明けましておめでとうございます。御健勝をお祈りいたします。
しかし、国際情勢、国内情況を見ると、お目出たいとばかり言っておれない。今年は壬辰年で、易学では問題を孕む年といわれる。国際経済は、アメリカの停滞に加えて、EU経済が波瀾含みで、それがロシアや中国へ波及する恐れがあり、反面、日本は不当な円高に苦しんでいる。安全保障面でも、イラン、北朝鮮、中国でいつ火が噴くか分からない。日本の円高も、世界の大金持ちの機関投資家やヘッジファンドが、大震災からの復興景気を期待してのことだが、一年たっても復興が捗らないと気付けば、1000兆円の財政赤字を抱える日本から、いつ円売りに転ずるか分からない。そうした時だけに、厖大な資金を軍事費に充てている中国、若い金正恩に変わった北朝鮮、核を保有したいイランが、軍事的冒険主義に動く可能性もある。
我が国は、こうした軍事的暴発に備えるためにも、米国との緊密な連携・協力が必要になる。それも日本人自身が自らを守る姿勢を明確にしなければならない。例えば、仮に尖閣諸島を中国軍が軍事制圧したとして、日本が日米安保条約を盾に米国に排除してくれと頼んでも、無人島であった島に米国が若者の血を流すことはない。昨年5月3日の「新しい憲法をつくる国民大会」で私が、現憲法に大震災や侵略された場合、国家非常事態宣言や緊急財政処分や誰が指揮をとるのかの規定がない。諸外国の憲法に規定があるのに、我が国憲法にないのは占領下に作られたからだ。早急に憲法改正すべきだ、といち早く問題提起した。いま政界でも、憲法を改正してそうした規定を置くべし、との声が挙がっている。
また、同じ昨年5月3日の国民大会で、日本国憲法第9条は、端的にいえば、(1)陸海空軍は持たない、(2)武力行使は放棄する、(3)(独立国には認められる)「交戦権」さえ否認する、と書いてあり、この条文は、近隣諸国も翻訳してよく知っているから、日本の領土・領海を侵しても反撃を受けないとして、隙あらば侵略の機会を探っていることも提起し、早急に憲法第9条を改正すべきことを強調した。
いま、政界は、政局・政権をめぐり、各政党が激しく抗争を繰り返しているが、そうしているうちに、外国の侵略を受け、または核ミサイル攻撃をするぞ、すぐ手を上げろ、と脅迫されて、いつ日本国が消滅するか分からない。政界も、政争に走るのではなく、憲法改正こそ、国家の緊急課題であることを認識して、全政党が協力して、憲法改正に取り組んでいただきたい。当団体は、今年もそうした政界対策とともに、国民啓発活動に努めてゆくので、皆様にご協力いただきたいと結び、拍手を浴びた。
堀 渉 理事長の挨拶と乾杯の音頭
議員会館会議室から同じ階にある大食堂に席を移し、当団体初代会長・岸信介元総理の秘書を30年勤めた堀渉理事長が、新年宴会に先立ち、年頭挨拶を行った。
日本は戦後、先人のなみなみならぬ努力によって、第2の経済大国にまで発展した。「いつまでもあると思うな金と親」という言葉があるが、先人も亡くなり、金も無くなってきた。日本人は平和に慣れ、危機感がないが、EU(ヨーロッパ連合)のギリシャやイタリアを笑っているどころではない。明日は我が身かもしれない。1000兆円もの財政赤字を立て直すのも容易ではない。今の試練を乗り越え、日本国を再建するには、政治家も真摯に国民に対し実情を訴え、具体的政策を提示して、政府・政治家と国民が一致協力しなければ、この事態は、乗り切れない。また清原会長が言うように、我々日本人が命懸けで自国を守る気概を示さなければ、アメリカだって助けに来てくれない。
早急に憲法改正に真剣に取り組むべきだと述べ、乾杯の音頭を取った。