憲法改正国民投票とプロセス

保利耕輔先生

講話日:平成25年2月25日(月)

保利耕輔先生

衆議院議員・憲法審査会長・自民党憲法改正推進本部長

講演要旨

 保利先生の講題は『憲法改正国民投票とプロセス』であったが、幅広く熱心に御解説を下さった。その要旨は、憲法改正は、自民党の党是であり、綱領にも書いているので、自民党内には改憲に反対する議員はいない。まず現行憲法第96条が規定する「衆参各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議する」要件を満たすためには、衆議院はすでに要件を満たしているが、来る7月予定の参議院選挙で、やはり3分の2を獲得しなければならない。しかし、参議院選挙は半数改選なので、自民党が大勝したとしても、公明党のほか、日本維新の会やみんなの党との連携が必要となるだろう。
 憲法改正を進めるためには、まず憲法審査会の審議が必要だが、いまは、補正予算の審議が優先され、野党も参加してこないので、憲法審査会が開催できないでいるのが実情である。しかし、開催となれば、私は審査会長として、公平な立場で審議を進めていく所存である。内容としては、安倍総理も言われる第96条(改正手続要件)の緩和をまず取り上げることに方針が決まっている。国民投票法も成立しているが、4つの課題がある。第1として、「有権者は18歳以上」となっているが、他の法律との関係で様々な問題を生ずるので、投票を20歳以上に改正したい。第2は、憲法改正の国民投票に当たって、公務員にその選挙活動を認めるかどうかだが、国会議員の中で意見が分かれているという問題がある。第3は、この国民投票法を、憲法改正だけではなく、例えば、原発の継続・廃止の賛否にも使いたいという意見もある。第4には、国民投票の方法にしても、新憲法案全体について可否を問うのか、その一条ごとに投票するのか、などの選択肢がある。また、国会で発議された改憲案について国民投票した場合、国民の投票率の問題もあり、検討事項は多い。

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