第50回 新しい憲法をつくる国民大会 令和元年5月3日四谷区民ホール
大会プログラム
開会 |
午後1時
司会 高津優介(大会実行副委員長) |
国歌斉唱 |
(1回) |
第一部 |
全国公募「改憲川柳」 |
改憲川柳 |
入選者発表。優秀者を壇上で表彰する。 |
第二部 |
今年の「新しい憲法をつくる国民大会」の問題点 |
会長挨拶 |
現行憲法第八条「皇室財産」の法文の見直しを!
清原淳平 新しい憲法をつくる国民会議会長 (http://kiyohara-junpei.jp/) |
来賓講話 |
国会議員談話「こうした点を、国民の皆さまに、ご理解をいただきたい!」
下村博文先生 衆議院議員・自民党憲法改正推進本部長、元文部科学大臣
中川雅治先生 参議院議員・行政監視委員長、前環境大臣
平沢勝栄先生 衆議院議員・自民党憲法改正推進本部事務総長
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大会決議 |
丸山 隆 国民大会実行委員 |
第三部 | 宮廷『雅楽』実演 ── 皇室の御世代り祝して ── 雅悠会 |
雅楽
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「雅楽とは」と「曲目」の解説 中澤信孝 日本雅楽会会長
曲目 古来から宮廷に伝わる雅楽の実演。
管弦 「平調音取」 「越殿楽」 「陪臚」
舞楽 「蘭陵王」 「長慶子」
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閉会の辞 |
重田典子(国民会議理事・国民大会実行委員長) |
万歳三唱 |
「御皇室万歳」「日本国万歳」
深山明敏(国民会議理事、陸上自衛隊元第三師団長・陸将) |
※肩書は、平成31年3月20日時点による。
掲載記事報告
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大会風景
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「改憲川柳」表彰状読み上げ・授与 高橋洋一選考委員
国民啓発活動の一環として、ここ数年、改憲川柳の公募を行っている。今年も全国から2636句の応募があった。
選考委員により、209句を入選とし冊子に掲載。その中から、大賞1(赤リボン)、佳作6を墨書し、壇上に掲げ表彰した。佳作のうち「一国民様」が当日上京されたので、壇上にて、表彰式を執り行った。
憲法改正川柳コンクール結果発表ページへ
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第二部 今年の「新しい憲法をつくる国民大会」の問題点
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清原会長のレジュメ(pdf)
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会長挨拶「現行憲法第八条[皇室財産]法文の見直しを!」
清原淳平・新しい憲法をつくる国民会議(自主憲法)会長
まず、最初に、生前御退位に続く、新天皇陛下の御即位を、謹んで御慶び申し上げます。そこで、今年の国民大会は、例年の全国公募の「改憲川柳」の発表、有力国会議員の御信念の披瀝に加えて、天皇陛下の御即位をお慶び申し上げて、宮廷雅楽の実演、という3部構成といたしました。さて、私は、その年々、今の憲法のどこにどのような問題があるかを採り上げ御説明しておりますが、今年は、御世代わりの年でもあり、「第1章天皇」の章の中の「第8条[皇室財産の授受には国会の議決が必要]」の法文を採り上げ、改正すべきことを論証したいと思います。条文を掲げると、「第8条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。」とあります。活字になっていると良いと思うでしょうが問題がある。まず第一の問題は、この条文の「財産」にあります。辞書で一般に、「財産とは、広く有形・無形の金銭的・経済的な価値を有するものの総称」とされます。しかし、金銭的・経済的価値といっても個人的認識の差があり、その判断がむずかしい。一々国会の議決が必要とあるため、天皇はじめ皇室は国民との間での、御下賜品、あるいは献上品に、大層神経を使っておられ、財産と見られないように小さな花束ぐらいしかお受け取りにならないようにしておられる、という問題です。第2の問題として、ではなぜ、この第8条[皇室財産授受制約]の条文ができたのか? それは、「日本国憲法」を創った連合国軍総司令官マッカーサー将軍が置いた懲罰的規定です。しかし、マッカーサー将軍を批判攻撃すべきではない。当時、主たる戦勝国のアメリカ、イギリス、中華民国、オーストラリア、ソ連、の各国政府は、日本を統治するための機関として「極東委員会」を創ったが、その極東委員会は強硬に天皇制廃止を唱えていた。しかし、実際に日本を占領し統治していたマッカーサー将軍は、「極東委員会」が日本統治に関与することを執拗に断っている。なぜか、昔から日本を研究し、実際に日本と戦ったマッカーサー将軍は、もし天皇制を廃止すれば、日本は女性や子供まで抵抗し、自分の日本統治は成功しないので、天皇制を残し、かつ国会や内閣・裁判所も残して、その上に立っての「間接統治方式」がよいと考えていたからである。ただし、「極東委員会」の意向も入れ、天皇制を支える貴族・華族制を廃止し、皇室の資産を没収ないし占領下政府へ移すなど、皇室へ徹底した制約を科した。その一つがこの第8条なのです。だが、サンフランシスコ条約により、ともかく独立してからの日本政府は、この規定に困った。なぜなら占領下では日本に外交権がなく、外国の大使館・公使館など閉鎖されていたのでよいが、独立を取り戻すと、諸外国から大使・公使が信任状奉呈にこられ、その折、儀礼として高価な品物の奉呈があり、天皇もそれなりの高価品をお返しするが、一々国会の議決を得るのは不可能である。そこで、当時の吉田茂内閣では、この憲法「第8条[皇室財産授受の国会議決の必要]」の憲法改正を考えたが、保革伯仲の時代で「憲法第96条の衆参各議院の総議員の3分の2以上の賛成」という改正条件の見込みもないので、吉田内閣は、便法を考えた。すなわち、憲法の下位の「皇室経済法」の方を改正し、新たに2項を置き「左の各号に該当する場合は、その度ごとに国会の議決を経なくとも、皇室財産を譲り渡し、若しくは賜与することができる。」とし、その2号に「外国交際のための儀礼上の贈答に係る場合」等々(他の号は省略)を掲げた。しかし、これは、法制度の原則「上位法・下位法の原則」に反する大問題である。けだし、いま国内法だけでみると、法制度は憲法を頂点として、次に国会が制定する法律があり、その下に政府がつくる政令があり、その下に地方自治体がつくる条例があり、下の法は上の法を侵せないのが原則だからです。したがって、この皇室経済法は憲法8条と全く反対のことを書いているので違憲である。御皇室は今もこの憲法第8条を守ろうとしておられ、御苦労されているので、この憲法第8条は早急に改めるべきである。
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来賓講話「自民党の4つの改憲イメージ」 下村博文先生 講話
(衆議院議員・自民党憲法改正推進本部長、元文科大臣)
平和主義、国民主義、基本的人権の尊重の3つの基本を自民党は尊重します。その上で、4つ憲法改正のイメージ案をつくりました。1つ目は自衛隊の明記。9条は変えない、解釈も変えない。しかし国民の9割が認めている自衛隊を、「加憲」によって位置づけようということです。2つ目は緊急事態。大災害が起きた時、素早く対処できるようにするための改憲です。3つ目は、合区と地方自治体のあり方です。憲法では人口比例で国会議員を選ぶことになっています。3年前から参議院では、鳥取・島根県から合わせて1人、高知・徳島県から1人となりました。3年後には20県が合区対象となる。人口が減少した県から参議院議員を出せなくなるのです。地方の活性化を考えたときに、1県1人選べるようにしよう。これを実現するには、憲法を改正するしかないのです。そして4つ目が教育であります。すべての人に可能性を提供できる教育状況をつくること。「人生100年時代」の中、50、60歳になっても学び直して仕事をしたい、という人を応援できるような環境づくりをしていきたい。
国会は議論の場ですから、議論しながら、みんなで考えていく。そういう政治を目指していきたいと考えています。
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来賓講話「憲法改正には国民の理解が不可欠」 中川雅治先生
(参議院議員・行政監視委員長、前環境大臣。)
憲法とは、いかなる政党が政権に就こうと守らなければならない共通のルール。国家の基本です。したがって政局と絡めて議論されたり、国論が二分され、国民が分断されるような状況は決して望ましくないと私は思います。大部分の国民の皆さまが憲法改正の必要性を十分に理解されることが大前提だと私は思います。
現行憲法は、日本の主権が制限された中で制定され、自由意思が反映していないということは否定しがたい事実です。国民の皆様には、冷静に現行憲法の制定過程を紐解いていただきたいと思います。また、現行憲法には内容の欠陥もたくさんあります。元首の規定がないこと。国防の規定がないこと。緊急事態の規定がないことなど。こうした欠陥は正していかなければなりません。
世界各国では何十回も憲法改正している国が多い中、日本は一度も改正していません。社会の変化、国際情勢の変化に伴って、今の憲法では十分に対応できない事態も生じてきます。解釈で補おうとするのも、もはや限界にきています。
憲法改正を行うには、国民の理解が不可欠。そのためには、国民的議論を巻き起こす必要があります。本日の会合がその契機となることを大いに期待しております。
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来賓講話「まずい点があれば、正すのは当り前」 平沢勝栄先生
(衆議院議員・法務委員会筆頭理事・憲法審査会幹事)
憲法改正しなければいけない点は山ほどあります。それなのに、国会は何でこんなにのんびりしているのだろう? これはすべての国会議員一人ひとりが反省しなきゃいけないことだと思います。護憲派の一人ひとり話を聞いてみると、憲法変えたいところがあるんですよ。ならば、そう発言すればいいのに、しない。与党のやり方が強引だという人もいますが、賛成でも反対でも議論を戦わせなければ話になりません。それが憲法審査会の場ではないかと思います。議席数にかかわらず、質問時間は各党平等です。やっと1年6か月ぶりに動き出す憲法審査会を動かして、憲法改正を一歩でも前に進めるべく努力します。
言葉遣いのおかしいところもたくさんある。「子女」とか「吏員」「司法官憲」とか。第18条にでてくる「奴隷的拘束」っていうのもよくわからない。アメリカには昔奴隷がいたから、そのまま持ってきたとしか思えない。日本に奴隷はいなかったのですから。いま古い言葉が使われている法律はどんどん新しく変えています。民法も刑法、商法、会社法も変えました。残っているのは憲法だけなんです。何で憲法だけ、残しておくのでしょう? まずい点は正す、時代に合わないものは変えていく。そんなことは当たり前のことじゃないですか。
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大会決議(案)朗読 丸山 隆・国民大会実行委員 大きな声で堂々と読み上げた。
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「大会決議」の伝達式
大会決議は、読み上げた丸山隆実行委員より、壇上前で、清原淳平会長へ手渡され、政府・国会へ伝達されることになる。
大会決議というと、一般に団体の主張を箇条的に宣言する形式が多いが、当団体では数年前から、国民の皆さまに、なぜ改正が必要かを理解いただくべく、論理説明的な形式をとり、国会・政党、国民の皆さま宛の文章形式にしており、評価されている。
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一、天皇陛下の御退位に続く新天皇の御即位を、謹んで御慶び申し上げます。以前は、天皇が崩御されて悲しみの中にある際、日を置かずに新天皇の御即位祝賀があり、国民として心の整理ができず戸惑ったものである。何ごとも時代の変化に対応する必要があり、随所に時代に即応しない現行憲法の条文は、早く改めるべきである。
一、現行憲法は、連合国軍の占領下にマッカーサー将軍の統治執行の便宜のため、作られたものである。したがって、第九条の骨子は、①武力行使の永久放棄、②陸海空軍の不保持、③(独立国には当然認められる)「交戦権」の否認、の三つである。これは「自分の国は自分で守る」のが原則である独立主権国家の、体裁ではない。
一、憲法学者の多くは、自衛隊は、第九条に反し違憲であるという。しかし昭和二十七年四月二十八日、講和条約が発効し独立国家と認められたとはいえ、その後の日本は、保革伯仲のため第九十六条[憲法改正要件]の三分の二以上が得られないので、憲法改正ができないまま、歴代政府は「自分の国は自分で守る独立主権国家」たるべく自衛隊を設置してきたが、今こそ第九条を改正し、国防軍と改めるべきである。
一、現行憲法第八条[皇室財産]には「皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。」とある。このため、皇室は原則「財産と見られない小さな花束」しか授受できないでいる。これは、制定当時、戦勝国から天皇制廃止の声が高く、マッカーサー将軍もそれに配慮し、懲罰的に置いた規定なので、この第八条の規定は改めるべきである。
右、決議する。
令和元年五月三日
第五十回 新しい憲法をつくる国民大会
(=自主憲法制定国民大会)
※原文は縦書きだが、ここは横書きとした。
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「雅楽とは」「曲目解説」
中澤信孝 日本雅楽会会長
雅楽は、1200年以上の歴史を持つ日本の伝統音楽。中国大陸や朝鮮半島などから渡来した外来音楽がもととなっているが、平安時代に至り、いわゆる「国風」と呼ばれる日本的な音律だけが残り、平安中期には貴族の「たしなみ」のひとつとして「みやび」な形に整えられた。現在も、この伝統は守られており、祭日には皇室の宮中祭祀の中でも演奏されている。
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管弦
「平調音取」(ひょうじょうのねとり)
「音取」というのは、音階をたくみに取り入れ、曲の雰囲気をつくりあげていくための前奏曲のこと。篳篥(ひちりき)、龍笛、鞨鼓(かっこ)、琵琶、琴の順に短い楽句を演奏する。
「越殿楽」(えてんらく)
古くは唐の宴席で演じられ、雅楽の中では最もよく知られている曲。
「陪臚」(ばいろ)
八幡太郎義家が出陣のたびに演奏し、戦勝祈願したと伝えられる曲。もとは唐代に戦いの陣形をかたどった舞踏の曲である。
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舞楽
「蘭陵王」(らんりょうおう)中国南北朝の北斉の武将・蘭陵王(高長恭)が周の大軍を打ち破った史実に基づく勇壮華麗な舞楽。蘭陵王は美しい顔立ちだったため、味方が見とれて戦場で士気が上がらない。そこで厳めしい面をつけて指揮をとったと伝えられている。
「長慶子」(ちょうげいし)古くから、舞楽会の最後に演奏するのが習わしとなっている曲で、舞はない。参会者の退出の音楽とされている。源博雅(918~980年)の作曲。
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閉会の辞 重田典子・国民会議理事・事務局長・国民大会実行委員長
雅楽の皆さま、御世代りを祝して、一般に中々拝見することが出来ない、すばらしい古典芸術・雅楽を御披露下さり、最高の記念になり、ありがとうございました。
国会議員の先生方には、御多忙の中御出席下さり、貴重な御提言や御解説をいただきましたこと、誠にありがたく、心から感謝申し上げます。
改憲川柳入賞ならびに入選者の皆様、今年も全国各地から改憲川柳が寄せられ、意識の高い皆様の意気込みに励まされました。今後も、さらに強い国民の波が全国津々裏々に届きますよう祈っております。
最後に、皆さまの満場の拍手を以て、可決されました大会決議に従い、私どもも決意を新たにして、活動を続けて参りますので、本日御参加の皆様方、今後とも御支援・御協力のほど、よろしく御願い申し上げます。
以上をもちまして、私の閉会の辞とさせていただきますが、このあと深山理事の万歳三唱を、宜しくお願い申し上げます。
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万歳三唱 深山明敏理事 (国民会議理事、陸上自衛隊元第三師団長・陸将)
新しい御世にふさわしい憲法改正の早期実現を希い、 御皇室のますますの弥栄をお祈りし、日本の一層の発展を祈りながら、万歳三唱をいたしたいと思います。
御唱和下さい!
万歳! 万歳! 万歳!
ありがとうございました!
(拍手)
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午前10時、ロビーで各担当部署の打ち合わせをする大会実行委員の皆さん。こうして裏方を務めて下さる同志によって、当国民大会は成り立っている。
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舞台上で、横額、垂れ幕、机、椅子などの準備を進める大会実行委員。すべてが手作りの大会だ。
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開会前から、参加者が続々と来て下さり、受付で記帳下さる。お若い方も多い。
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高津優介大会実行副委員長 司会
昨年に続いて8度目の司会役。
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